まずは言葉から

 

マッサージ業界(この呼び方がカバーする範囲に、マッサージでないものがたくさん含まれてしまっていますが)の仕事をしていると、よく耳にする言葉。

   「患者」

   「治療」

   「治療家」

そしてこの言葉が自分には全くしっくりきていないので、いつからか、以下のように置き換えている。

   「クライアント」

   「施術」「指圧」

   「施術家」「セラピスト」「指圧師」「マッサージ師」など

 

「患者」という言葉。指圧を受けに来る方は、病気と診断されていない方が多い。なので、患者と呼ぶのはおかしい場合が多い。また、病気を抱えている方の場合でも、その病気を治すために指圧を受けているわけでない場合も多い。

そして患者と言う時点で、その人が病気をかかえているということにしてしまうのが、しっくりこない。そこで思案の結果「クライアント」をこれに充てることにした。

自分が指圧でやりたいことは、施術の際の相手の身体の状態を確認し、疲れをとったり詰まっているところを通したり。そして、それをきっかけにできるだけ日常生活の改善のための情報をお伝えして、QOLを少しでも向上させたい。

だから一方的に病気を治療する、というよりは、きっかけを作って、それをもとに二人三脚で状態を良くして行く、ということ。「お客さん」もしっくり来ないし「依頼人」だと仰々しい。それで、横文字は極力使いたくないけれど、「クライアント」におちついた。直訳だと「依頼人」なのだが、その人と一緒にプロジェクトを進めていくようなイメージ。

今はまだまだそれができていない。でも、将来的に指圧でそういうことを実現して、クライアントさんの身体の状態をもっともっと一緒に良くしていきたい、という決意と希望を込めて、「クライアント」。

 

「治療」。マッサージや整体に行くとよく聞くけど、病院で聞くのと違ってなんか不自然に自分には思えてしまう。たしかにマッサージや指圧であれば、医療行為なので、治療なのだろう。でも、自分にはどうしても「治療」という言葉が対処療法的なものに聞こえてしまう。痛み止めを打ったり、湿布を張ったりするだけ、みたいな。

指圧は、身体の部分を圧していくことで、身体が本来持っている自然治癒力を促進し、それによって状態を良くして行く。だから、治療をしているというよりは、身体が自分自身を良い状態にしていくためのお手伝いだと思う。
出血を止めたり、痛みを一時的に止めたり、注射をしたり、そういうことはできないけど、それはお医者さんの役目。指圧師は指圧師でできることをしていきたい。

だから「施術」の方が自分には断然しっかりくる。身体に術を施して、身体をお手伝い。
ちょっとしたお手伝いなんだけど、そのお手伝いが有ると無いとでは大違い。そんなお手伝いができる指圧をするために精進していく。だから「施術」。

 

「治療家」。医者は治療家ではないの?看護師は?薬剤師は?もし治療家という言葉あるなら、医療に携わる全ての人が治療家のはず。なのになぜかこの業界の人ばかり治療かと呼んだり名乗ったり。なんか中途半端。

先の施術のこともあるから「施術師」ならしっくりくる。横文字なら「セラピスト」でしょう。

自分は指圧をする人なので「指圧師」。できることは指圧。だから、指圧で何ができるかをまず第一に考えて全力を尽くす。そして指圧でできないこともたくさんあるから、それはひたすら謙虚に受け止めたい。そしてクライアントさんに良い選択をして欲しい。
たとえばインフルエンザになったから指圧して、っていう人がいたら、間違いなく病院へ行くように伝える。

自分に出来ること、指圧で実現できることを自分の中で定義し、その範囲の中でまずは全力を尽くす。そして研鑽をつんで、その範囲を広げて行く。範囲外の事は知識は持った上で、別の医療がクライアントに必要なら勧める。そんな「指圧師」として医療の一端を担いたいと思う。

 

たかが言葉。書いてきた内容も、人によって解釈はさまざまなはずだから、これが絶対正しいとは思わない。

されど言葉。自分が使う言葉にはいろんな思いを込めて、適切な言葉を選択できる人間でありたいと思う。
そして「まずは形から」という表現みたいに「まずは言葉から」っていうこともあるかと。言葉として発していけば、自分自身がその言葉の状態に追いついてくると思う。

だからこれからも「クライアント」に「施術」をする「指圧師」として進んで行く。思いを込めて使っていれば、その思っている姿に自分が近づいて行くと信じて。

neko1

 

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